Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かいろこう
薤露行
Lisez 薤露行 (かいろこう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 925 caractères · 40 écrans
円く照る明月のあすをと問わば淋しからん。エレーンは死ぬより外の浮世に用なき人である。
今はこれまでの命と思い詰めたるとき、エレーンは父と兄とを枕辺に招きて「わがためにランスロットへの文かきて玉われ」という。父は筆と紙を取り出でて、死なんとする人の言の葉を一々に書き付ける。
「天が下に慕える人は君ひとりなり。君一人のために死ぬるわれを憐れと思え。陽炎燃ゆる黒髪の、長き乱れの土となるとも、胸に彫るランスロットの名は、星変る後の世までも消えじ。愛の炎に染めたる文字の、土水の因果を受くる理なしと思えば。睫に宿る露の珠に、写ると見れば砕けたる、君の面影の脆くもあるかな。わが命もしかく脆きを、涙あらば濺げ。基督も知る、死ぬるまで清き乙女なり」
書き終りたる文字は怪しげに乱れて定かならず。年寄の手の顫えたるは、老のためとも悲のためとも知れず。
女またいう。「息絶えて、身の暖かなるうち、右の手にこの文を握らせ給え。手も足も冷え尽したる後、ありとある美しき衣にわれを着飾り給え。隙間なく黒き布しき詰めたる小船の中にわれを載せ給え。山に野に白き薔薇、白き百合を採り尽して舟に投げ入れ給え。