Classiques japonais avec furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lisez 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 193 761 caractères · 388 écrans
そして、ぶきみな笑い声をたてた。すると、あれも……。」
「幻灯と、腹話術さ。助手が家のそとの木のしげみなどにかくれて、窓にむかって怪人の横顔の幻灯をうつすと、部屋のなかで、黒川が腹話術をやる。怪人の影がうつるときには、その部屋に、かならず黒川がいた。腹話術というのは、口をすこしも動かさないで、ものを言う、あの術だね。腹話術だと声がどこからくるかわからない。窓のそとと思えば、窓のそとのようにも、聞こえるのだよ。
ぼくはコックになって、怪老人のすみかに、はいりこんだのだから、そのほか、いろいろのことがわかった。怪老人というのは、すなわち黒川なんだよ。黒川はなんにでも、化けられるふしぎなやつだ。あいつのつかった奇術のたねは、アヤツリと幻灯と腹話術のほかに、黒魔術と鏡トリックがある。透明怪人をつくりだすのには、あらゆる奇術がひつようだった。こんどの事件は、まるで奇術の展覧会のようなものだよ。
大友少年が、あやしい自動車の屋根に乗って、防空ごうの怪老人のすみかに、しのびこんだとき、ドアのすきまから、透明怪人の寝室をのぞいたね。すると、パジャマばかりで、顔も手もないやつが、コップを持って、水をのんでいた。