Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans
立て切った障子の硝子を通して白い雨の糸が細長く光る。
「京都という所は、いやに寒い所だな」と宗近君は貸浴衣の上に銘仙の丹前を重ねて、床柱の松の木を背負て、傲然と箕坐をかいたまま、外を覗きながら、甲野さんに話しかけた。
甲野さんは駱駝の膝掛を腰から下へ掛けて、空気枕の上で黒い頭をぶくつかせていたが
「寒いより眠い所だ」
と云いながらちょっと顔の向を換えると、櫛を入れたての濡れた頭が、空気の弾力で、脱ぎ棄てた靴足袋といっしょになる。
「寝てばかりいるね。まるで君は京都へ寝に来たようなものだ」
「うん。実に気楽な所だ」
「気楽になって、まあ結構だ。御母さんが心配していたぜ」
「ふん」
「ふんは御挨拶だね。これでも君を気楽にさせるについては、人の知らない苦労をしているんだぜ」
「君あの額の字が読めるかい」
「なるほど妙だね。※雨※風か。見た事がないな。何でも人扁だから、人がどうかするんだろう。いらざる字を書きやがる。元来何者だい」
「分らんね」
「分からんでもいいや、それよりこの襖が面白いよ。一面に金紙を張り付けたところは豪勢だが、ところどころに皺が寄ってるには驚ろいたね。まるで緞帳芝居の道具立見たようだ。