Classiques japonais avec furigana
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じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
Lisez 蛇性の婬 (じゃせいのいん) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 880 caractères · 54 écrans
用心しなくては命があぶない」
許宣は非常に体が衰弱して気分がすぐれなかった。それに白娘子に対して抱いている疑念もあった。彼はそれを聞くと恐ろしくなった。地べたに頭をすりつけるようにして云った。
「どうか私を助けてください」
道人は頷いて符を二枚出した。
「これをあげるから、何人にも知らさずに、一枚は髪の中に挟み、一枚は今晩三更に焼くが宜い」
許宣はそれをもらうと朋友に別れて家へ帰り、一枚は頭の髪に挟み、一枚は三更になって焼こうと思って、白娘子に知らさずに時刻の来るのを待っていた。
「あなたは、また私を疑って、符を焼こうとしていらっしゃるのですね、こうして、もう長い間、いっしょにいるのにどこが怪しいのです、あんまりじゃありませんか」
傍にいた白娘子が不意に怒りだした。許宣はどぎまぎした。
「いや、そんなことはない、そんなことがあるものか」
白娘子の手が延びて許宣の袖の中に入れてあった符にかかった。白娘子はその符を傍の灯の火に持っていって焼いた。符はめらめらと燃えてしまった。
「どう、これでも私が怪しいのですの」
白娘子は笑った。許宣はしかたなしに弁解した。
「臥仏寺前の道人がそう云ったものだから、彼奴俺をからかったな」