Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たこのごときもの
蛸の如きもの
豊島 与志雄
Lisez 蛸の如きもの (たこのごときもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 085 caractères · 21 écrans
――どうせ大した金高ではあるまい。
「わたしは今晩、最後の仕上げをしましたよ。金を渡しておいて、ちと恥かしかったが、どこかへ行ってみようか、一日か半日、温泉へでも遊びに行こうか、とそう言って誘ってみますと、百合子、ぱっと紅くなりました。それから、どういうものか、縮らした髪を片手でかきあげる真似をして、あの白い額の、細おもての顔を、きりっと引きしめ、眼をそらしながら、言うことがいいじゃありませんか。わたくし、そんな女ではございません。ねえ、どうです。わたくし、そんな女ではございません。」
これじゃあ、甘っちょろくて話にならん。高木老人と貞夫との親子は、顔立ちがよく似ているし、高木老人の振舞いも訝しかったろうし、百合子は恐らく、事の真相とまでは分らなくとも、なにか怪しいと感づいていたに違いない。女はこんな時、巧みな芝居をするものだ。貞夫にも老人にもなんとも言わず、黙っていて、最後にただ一言、わたくしそんな女ではございません。
それにしても、おかしいのは高木老人の話しっぷりだ。初めから、如何にも嬉々として楽しそうだった。最後の仕上げの件にしても、聊か色っぽすぎる。