Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちょうのえ
蝶の絵
久生 十蘭
Lisez 蝶の絵 (ちょうのえ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 644 caractères · 49 écrans
という。
はっとして眼をさますと、猿はなにごともなかったような顔で、後肢で首のうしろのところを掻いたりしている。気のせいだとうち消して、うたたねにかかると、それが津村の癖だった、鼻にかかった調子で、「ふふん」とせせら笑いをする。
こういうことが何日かつづき、やりきれなくなって、須田のところへ聞きに行ったが、はぐらかされて帰ってきた。猿を殺したのは、不条理な精神の抑圧に、それ以上、耐えられなくなったからである。
一月のはじめにリーナが死んだ。
リーナにたいする山川家の扱いは、見せかけほど冷酷なものではなく、内実は、困らぬだけのものを、毎月、こっそりと届け、恩恵で縛りつけておいた。死んだときも常子が行って、後で問題が起きない程度に始末をし、これで厄が落ちたと胸を撫でおろしたが、山川のほうは、秘密を分けあうものがいることで、いくらか慰められていたのに、リーナの死で漏泄の道がなくなり、孤独感でおしつぶされそうになった。
山川は抑圧から解放されたいというねがいでとりとめなくなり、町でMPに出逢うと、「もしもし、僕はね……」と話しかけたい衝動が起き、それをおさえるのに脂汗をながした。