Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちょうのえ
蝶の絵
久生 十蘭
Lisez 蝶の絵 (ちょうのえ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 644 caractères · 49 écrans
陽の目も見えない大樹林の中で、食べるものもなくて……」
「それはたいへんだったといいたいところだが、どう見ても、お前の面は、美食して、安楽に暮していた面だよ」
「嗜好の善悪とは、緯度の差でしかない、と誰かがいった。見方を変えれば、僕は、すごい美食をしていたといえる」
「なんだい、緯度の差ってのは」
「アフリカやアラビヤでは、猿は最上の美食だということだが、僕らは、オランウータンばかり食っていた。食い残した猿の腕や掌が、その辺に投げだしてあると、人肉でも嗜食したような罪感をうけた」
「アッペリゥスという男のボルネオ紀行に、オランウータンを生捕りにする話があるが、あれァ、なかなか掴まらないものなんだろう。山川のようなのろまに、よくそんなことができたな」
「これでもずいぶん殺した……チーズのような猛烈な臭気のある、ドリアンという熱帯果実は、猿の大好物で、それが熟すころになると、五十匹、百匹という集団をつくって、ジャングルの奥から出てくる。手はじめに、伐木して猿どものいる樹を独立させ、大勢で遠巻きにしながら、円陣を狭めて行く……兵隊が木の下まで這って行って、幹に手斧を打ちこむ。