Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lisez 蟹工船 (かにこうせん) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 890 caractères · 125 écrans

Aozora Bunko

彼等は荷物を蟹臭い節立った手で、鷲づかみにすると、あわてたように「糞壺」にかけ下りた。そして棚に大きな安坐をかいて、その安坐の中で荷物を解いた。色々のものが出る。――側から母親がものを云って書かせた、自分の子供のたどたどしい手紙や、手拭、歯磨、楊子、チリ紙、着物、それ等の合せ目から、思いがけなく妻の手紙が、重さでキチンと平べったくなって、出てきた。彼等はその何処からでも、陸にある「自家」の匂いをかぎ取ろうとした。乳臭い子供の匂いや、妻のムッとくる膚の臭いを探がした。

………………………………

おそそにかつれて困っている、

三銭切手でとどくなら、

おそそ罐詰で送りたい――かッ!

やけに大声で「ストトン節」をどなった。

何んにも送って来なかった船員や漁夫は、ズボンのポケットに棒のように腕をつッこんで、歩き廻っていた。

「お前の居ない間に、男でも引ッ張り込んでるだんべよ」

皆にからかわれた。

薄暗い隅に顔を向けて、皆ガヤガヤ騒いでいるのをよそに、何度も指を折り直して、考え込んでいるのがいた。――中積船で来た手紙で、子供の死んだ報知を読んだのだった。二カ月も前に死んでいた子供の、それを知らずに「今まで」