Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はえおとこ

蠅男

海野 十三

Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans

Aozora Bunko

拡げて調べてみると、果然活字の上に、赤鉛筆で方々に丸がつけてある。これを拾って綴ってゆくと、文章になっていることが分った。

「ウム、やはり蠅男の仕業だな」

赤い丸のついた字を拾ってゆくと、次のような文句になった。

「――この事件カラただちに手をひケ、今日まデワ大メに見テやる、その証コに、イと子を安全に返シテやる、手を引カネバ、キサマもいと子も皆、いのちがナイものと覚悟セヨ、蠅男より、ほムラそう六へ――

果然、蠅男からの脅迫状だった。

帆村探偵に、この事件から手を引かせようという蠅男の魂胆だった。

帆村は、この新聞紙に赤丸印の脅迫状を読んでいるうちに、恐怖を感ずるどころかムラムラと癪にさわって来た。

「かよわい糸子さんを威かしの種に使おうなんて、卑怯千万な奴だ」

それにしても、糸子はどうしてこの部屋へ搬ばれて来たのだろう。またその脅迫状はどうして帳場に届けられたのだろう。それが分れば、憎むべき蠅男の消息がかなりハッキリするに違いない。

帆村は電話を帳場にかけた。

「誰か僕の居ない留守に、この部屋に入ったろうか」

帳場では突然の帆村の質問の意味を解しかねていたが、やっとその意味を了解して返事をした。