Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
「えッ、――」
と、帳場氏は、帆村の勢いに驚いて身をすさった。
「なにがそいつだんネ」
「そいつが恐るべき蠅男なんだ。僕にはすっかり分ってしまった。早くそいつの部屋へ案内したまえ」
「へえ、あの蠅、蠅男! あの殺人魔の蠅男だっか。ああそういわれると、どうも奇体な風体をしとったな。気がつかんでもなかったんやけれど、まさかそれが蠅男だとは……」
「愕くのは後でもいい。さあ早くその井上一夫の部屋へ――」
帆村はジリジリして帳場氏の腕をつかんだ。
帳場氏はそれに気がついて、
「ああ、その人やったら、今はお留守だっせ」
「ナニ留守だッ。どうしたんだ、その男は」
「いえーな。ちょっと宝塚の新温泉へ行ってくるいうて出やはりました」
「それは何時だ」
「来て間もなくだっせ。ちょうどあの西洋封筒を拾ったすぐ後やったから、あれで午後の四時十分か十五分ごろだしたやろな」
「うーむ、そいつだ。いよいよ蠅男に極った。分ったぞ分ったぞ」
「あンさんにはよう分ってだすやろが、こっちには一向腑に落ちまへんが」
「いや、よく分っているのだ。僕の云うことに間違いはない。さあ早く、その井上氏の部屋へゆこう、部屋の鍵を持ちたまえ」