Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
帆村は、すぐさま村松検事の留置されている警察署へゆくかと思いの外、彼はその前を知らぬ顔して、自動車をとばしていった。そして到着したところは、阪急の大阪駅乗車口であった。
彼はそこで大勢の人をかきわけ、大きな声で宝塚ゆきの切符を買った。
急行電車に乗りこんだ彼は、乱暴にも婦人優先席にどっかと腰を下ろすや、腕ぐみをして眼を閉じた。そして間もなく大きな鼾をかきだすと見る間に、隣に着飾った若奥様らしい人の肩に凭れて、いい気持ちそうに眠ってしまった。
車掌が起こしてくれなければ、彼はもっと睡っていたかも知れない。彼は慌てて、宝塚の終点に下りて、電柱の側らで犬のような背伸びをした。
それから彼は、太い籐のステッキをふりふり、新温泉の方へ歩いていった。
でも彼は、新温泉へ入場するのではなかった。彼はその前をズンズン通りすぎた。そして、やがて彼が足早に入っていったのは、池谷医師の控邸だった。それは先に、糸子が訪れた家であり、それよりもすこし前、池谷医師がお竜と思しき女と、肩をならべて入っていった家であった。
入口の扉には、鍵がかかっていなかった。帆村は無遠慮にも、靴を履いたまま上にあがっていった。