Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
かの男は、たちまち恵比寿顔になって、いやに帆村の機嫌をとりだした。
「ふーン、わしに委しといたらええねン。大丈夫やがナ。親分の名は藤三いうのや。紹介したる、さあ一緒についてこい」
楢平という男の案内で、帆村は藤三親分の配下に臨時に加えて貰うことになった。
彼はここでも、いささか金を親分に献上することを忘れなかった。
「あんまりパッパッと金を使うのはあかんぜ」
と、早速親分らしい注意をした。
「へえ、相済みませんです」
それから藤三親分は、帆村にいろいろと仲間の習慣の話や、縄ばりのこと、持ち場などについて、こまごました注意を与えたのち、
「さあ、これは今夜の、わしからの引出物や。これを一枚、お前にやる」
と云って、一枚の紙札をくれた。
帆村が何だろうと思ってみると、それは新別府温泉プールと書いた一枚の入浴券であった。
「へえ、どうもこれは、――」
「今夜入ってきたらええやないか。そこは十日ほど前に建った大浴場兼娯楽場や。もちろんぬかりはあらへんやろが、わし等の行く時間は、午後十二時を廻ってからでやぜ。忘れんようにな。楢平にも、これを一枚やる」
親分は二枚の入浴券を下された。