Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
「なにッ」と署長は目をみはり、「おおそれが蠅男か。想像していたよりも物凄いやっちゃア。待っとれ。いま皆におさえさせる。そオれ、掛れッ」
署長がサッと手をあげると、警官たちは靴のままプールの中にザブンと飛びこんできた。
「オヤ、――」
と近づいた警官が愕きの声をあげた。
「蠅男は死んどりまっせ」
「ええッ、――」
「こっちへ取りまっさかい、帆村はん、手を放してもよろしまっせ」
「そオれ、――」
警官隊の手にとって抱きとられた怪人蠅男の肉塊は、蒟蒻のようにグニャリとしていた。そして口から頤にかけて、赤い糸のようなものがスーッと跡をひいていた。血だ、血だ!
「舌を噛みよったな。ええ覚悟や」
と、いつの間に来ていたのか、正木署長が沈痛な声でいった。
「ああ、とうとう蠅男は死にましたか」
そういった帆村は、はりつめた気が一度にゆるむのを感じた。
「おッ、危い。どうしなはった、帆村はん」
鬼神のように猛き帆村だったけれど、蠅男の自殺を目のあたりに見た途端、激しい衝動のために、遂に意識をうしなって、警官たちの腕の中に仆れてしまった。
「無理もない。蠅男と、徹頭徹尾闘ったのやからなア」