Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうじん
行人
Lisez 行人 (こうじん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 224 801 caractères · 452 écrans
看護婦は色の蒼い膨れた女であった。顔つきが絵にかいた座頭に好く似ているせいか、普通彼らの着る白い着物がちっとも似合わなかった。岡山のもので、小さい時膿毒性とかで右の眼を悪くしたんだと、こっちで尋ねもしない事を話した。なるほどこの女の一方の眼には白い雲がいっぱいにかかっていた。
「看護婦さん、こんな病人に優しくしてやると何を云い出すか分らないから、好加減にしておくがいいよ」
自分は面白半分わざと軽薄な露骨を云って、看護婦を苦笑させた。すると三沢が突然「おい氷だ」と氷嚢を持ち上げた。
廊下の先で氷を割る音がした時、三沢はまた「おい」と云って自分を呼んだ。
「君には解るまいが、この病気を押していると、きっと潰瘍になるんだ。それが危険だから僕はこうじっとして氷嚢を載せているんだ。ここへ入院したのも、医者が勧めたのでも、宿で周旋して貰ったのでもない。ただ僕自身が必要と認めて自分で入ったのだ。酔興じゃないんだ」
自分は三沢の医学上の智識について、それほど信を置き得なかった。けれどもこう真面目に出られて見ると、もう交ぜ返す勇気もなかった。その上彼のいわゆる潰瘍とはどんなものか全く知らなかった。