Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうじん
行人
Lisez 行人 (こうじん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 224 801 caractères · 452 écrans
「節倹家だから少しは持ってるだろう」
「少しで好いから借りて来てくれ」
自分は彼が退院するについて会計へ払う入院料に困るのだと思った。それでどのくらい不足なのかを確めた。ところが事実は案外であった。
「ここの払と東京へ帰る旅費ぐらいはどうかこうか持っているんだ。それだけなら何も君を煩わす必要はない」
彼は大した物持の家に生れた果報者でもなかったけれども、自分が一人息子だけに、こういう点にかけると、自分達よりよほど自由が利いた。その上母や親類のものから京都で買物を頼まれたのを、新しい道伴ができたためつい大阪まで乗り越して、いまだに手を着けない金が余っていたのである。
「じゃただ用心のために持って行こうと云うんだね」
「いや」と彼は急に云った。
「じゃどうするんだ」と自分は問いつめた。
「どうしても僕の勝手だ。ただ借りてくれさえすれば好いんだ」
自分はまた腹が立った。彼は自分をまるで他人扱いにしているのである。自分は憤として黙っていた。
「怒っちゃいけない」と彼が云った。「隠すんじゃない、君に関係のない事を、わざと吹聴するように見えるのが厭だから、知らせずにおこうと思っただけだから」