Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まちのたんてい

街の探偵

海野 十三

Lisez 街の探偵 (まちのたんてい) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 275 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

キップの装置

『さっきから気をつけていると、コトンコトンと、微かなリズミカルな音がしているね』

と、彼は指を天井の方に立てて云うのであった。

『ああ、僕にも聞えるよ。鼠が居るのじゃないか』

と、僕はこたえた。

『ねずみ? 鼠が音楽家でもあればねえ』

と、彼はニヤリと笑って、

『――あれは天井裏に、瓦斯を発生する装置が置いてあるんだよ』

『え、瓦斯を発生するって、一体なんの瓦斯だい』

『多分キップの装置だろうね。亜鉛を硝子瓶に入れて置いて、その上に稀硫酸を入れるのさ。うまいこと水素瓦斯が出てきてはやみ、やんではまた出てくるんだよ』

『おい帆村。早く云ってくれ。なぜ水素瓦斯の発生装置が天井裏に置いてあるんだ』

と、僕は帆村探偵の腕をつかんでゆすぶった。

その途端に、電話のベルがけたたましく鳴りだした。

僕ははっとした。そして電話機のところへ駈けよろうとしたが、そのとき帆村が、

『おい待て、電話機に手をかけるな』

『ええっ、なぜ――』

『俺の後についてこい。説明はあとでするから――』

というなり帆村は、椅子から立ちあがった。彼の手はその椅子を頭より高く持ちあげた。