Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まちはふるさと
街はふるさと
Lisez 街はふるさと (まちはふるさと) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 193 435 caractères · 389 écrans
「大阪と東京を股にかけて、女手ひとつでしょう。身体をもたせるのが、たいへん。でも、死ぬまで、やるの。ほら、ごらんなさい。毎日、ブドウ糖を」
腕の静脈をだして見せた。青木は物欲しさをそそられる代りに、苦笑を返して、
「今からそれじゃア、大成おぼつかないぜ」
「私の雑誌はね。創刊号に七十万刷ります。三号には、百万にして見せるわ。私の欲しいのは、時間だけ。ただ、忙しいの。十分間が一日の休養の全部だわ。これじゃア、大成おぼつかないわね。じやア、失礼させていただくわ。いずれ、又、ゆっくりね」
せつ子は自動車をとめた。そして、悠々とのりこんだ。他の誰とも人種の違う人のように。
五
「ちょっとドライヴしてちょうだい。そう。海の香のするあたり。聖路加病院の河岸がいいわ」
そう運転手に命じて、せつ子はクッションにもたれた。長平の名刺をとりだして見た。名刺持参の者に御引見の栄をたまわりたし。見れば見るほど、底意地のわるさが伝わってくる。破り捨てようとしかけたが、大切に、ハンドバッグへしまいこんだ。名刺を破りすてるぐらい、いつでも、誰でもできることだ。小さな腹いせは、その小さな満足によって、敗北のシルシにすぎない。