Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はだかぎ

裸木

豊島 与志雄

Lisez 裸木 (はだかぎ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 049 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

いつまでも同じような時間だった。さめた酒の酔が、頭の奥に変にこびりついていた。

佐野はまた武田の方へやっていった。

武田の顔は憂欝な仮面になっていた。じっとして動かなかった。

「起きてても仕様がない。寝たらどうだい。泊っていってもいいんだろう。」

「うむ。……だが寝ても仕様がない。」

「もう二時近くだよ。」

「…………」

露が霜にでもなりそうな、しいんとした夜だった。

「君は、どこへ行ってたんだい。」

突然、電燈の光を受けた武田の顔が、薄黒く冴えてきた。

「どこにって……。」

「不都合だよ、こんな時に……。」

「然し……知らなかったんだから……。」

「知らなくっても、いいことじゃない。」

「そうかなあ。」

佐野は腑に落ちない顔付をした。悪い……と云えば悪いようだけれど、さてその悪いという実感が少しも胸にこなかった。

「赤ん坊はいい。病気になってもちっとも苦しまないから。あれで、ひどく苦しんだら、君は堪らなくなる筈だ。」

「そんなに悪そうでもないよ。」

「悪くないように見えても、悪いように見えても、同じことじゃないか。病気は病気だよ。僕は、妻が死んでから後で、なぜもっとよく看病してやらなかったかと、それが切なかった。