Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいこのしじん

西湖の屍人

海野 十三

Lisez 西湖の屍人 (せいこのしじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 487 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

「なに、霊媒? これはわしの魂が乗り移っている霊媒の婦人の肉体だというのか。ああ……」女史は頭をかかえて、其の場に俯いた。やがてその下から泣き声が洩れてきた。獣の叫びごえに似た怪しい響をもった泣き声だった。

「ああ、いつの間にか、わしは死んでいた!」

女史は、慨きのあまりか、容易に身が起せないようであった。

「どうです。今日は、その辺で止めておいては……」隣席の老人が、二人に注意した。

曽我貞一は、連れの神田の興奮に青ざめたような顔をチラリと見たうえで、老人に、止めることを頼んだ。

老人は、再び大竹女史の前に膝をつくと、何やら呪文のようなものを唱え、女史の額のへんを二三度、撫でるようにした。

女史は、元の女らしさに立帰って、静かに上体を起した。そしてケロリとした顔で、一座を眺めると、やや気まり悪そうに、はだけた前をかきあわせたのだった。

二人の背広男は、このとき丁寧なお辞儀をすると、席を立った。場慣れているらしく、始終ベラベラ喋った曽我貞一という男、それに反して一語も発しないで、唯興奮に青ざめていたような神田仁太郎と呼ばれた若い方の男――帆村はそれをぼんやりと見送っているような顔付をしていたが、その実、彼の全身の神経は、網膜の裏から、機関銃を離れた銃丸のように、両人目懸けて落下していたのだった。