Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいこのしじん

西湖の屍人

海野 十三

Lisez 西湖の屍人 (せいこのしじん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 487 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

しかし、どうせ死んでいるものなら、二度と死ぬことはないだろう。無聊に困っている自分のことだ。ではやっつけろ――漢青年は決心した。

だが、今はまだ日中である。西湖の方を眺めると、湖面がキラキラと光っている。屋根の硝子天井の上からは、強い太陽の光線が、部屋中いっぱいにさしこんでいる。脱走しろという、夜分になるのは中々だ。

そう思って、漢青年は窓によりかかったまま、硝子天井のどの辺を破ってやろうかと上を見た。

そのときだった。

まさにそのときだった。

これが、天変地異と、いうものだろうか。

奇蹟! とは、この事であろうか。

信ぜられない! 信ぜられない!

「呀ッ!」

漢青年が見上げていた硝子天井が、突然真暗になった。あの、カンカン日の当っていた硝子天井が、一瞬間に光を失ってしまったのだ!

漢青年の毛髪は、あまりの恐ろしさのために、まるで針鼠のように逆立った。

「真逆!」

窓の外を見ようとして振返ったが、そこには同じような暗黒があるばかりで、あの絵のような美しい西湖の姿は、どこにもなかった。

室内全体が、真暗だった。

こんな馬鹿げたことはない。漢青年は、自分の視力が一瞬に亡びたのかと思った。