Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おやはながめてかんがえている

親は眺めて考えている

金森 徳次郎

Lisez 親は眺めて考えている (おやはながめてかんがえている) de 金森 徳次郎 (かなもりとくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 403 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

この考えはたしかに病的だが、一つの慰めでもあった。足弱の子供をあやなすため、焼け残りの古本屋で、角力の古雑誌を買ってあてがう。顧みて支那の戦国時の流亡人を連想した。

数日経って、博雄疎開の日になる。世田谷の奥から、巣鴨の焼けあとへ立ちもどり、既に土中から掘り出した例の荷物を妻と共に携えて、茫々たる焼けあとの学校あとに集まる。運命を自覚した影の薄い童子たちは、辛うじて通じている電車で旅程に出るのだ。いろいろの不可知要素の伴っているこの生別は、万感深きものがあった。足の細い、そして首の細い自分の子を見送ることは、決して愉快なものではない。

去って一月、また二月、保護者に促されて書いた手紙だろうが、時々無事と疎開地生活の満足を知らせてくる。父兄代表者が、原地見舞をしての報告にも、童児たちは元気よく生活していると聞いて安心していた。が、あるとき、見舞に行ったよその人に、一封書を秘密にことずけて来た。開いて見ると、生活に堪えぬから呼びもどして呉れとの、たどたどしい鉛筆書きの数行であった。

私は大体秩序を尊重するたちだから、この手紙には強い反感をもった。我慢力が無いと内心憤った。