Classiques japonais avec furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lisez 親鳥子鳥 (おやどりことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 828 caractères · 181 écrans
「これでもこの頃は皆大きくなったから、御飯もゆっくり喰べられるのさ」
と言って一同に花を持たせたのは宜かったが、
「浩二が捉まり歩きをする時分には困ったよ。飯台へかかったと思うと、いきなり斯う両手で泳ぐようにして、お茶碗でも何でも皆ひっくりかえしてしまうんだもの」
と思い出すままを口にした。それを好いことにして、敏子は浩二に目でちょっかいをかけた。浩二は無論睨み返した。
「浩二ばかりじゃありませんよ。千代子だって敏子だって随分困りものでしたからね」
と僕は単に長兄として公平を期した積りだったが、忽ち敏子と千代子の睨むところとなった。
「余計なことを言わないで下さいよ。彼方此方に蟹の目が流行って困りますからね」
とお母さんが注意した。
「はいはい」
と僕が一番おとなしい。大に褒めてくれても宜いのに、お父さんは、
「源太郎こそ手に余したぜ」
と僕を槍玉に揚げて、
「お前のは何でも掴み次第後ろへ投るんだから危くて仕方がなかったよ。困ったねえ、お鶴。一人押えていて代り代り御飯を喰べるという騒ぎだったじゃないか?」
「あの時分はお祖父さんお祖母さんも御一緒でなく、女中も居ませんし、何しろ初めてで子供をよく理解しなかったんですね。