Classiques japonais avec furigana
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しんらんしょうにんについて
親鸞聖人について
吉川 英治
Lisez 親鸞聖人について (しんらんしょうにんについて) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 038 caractères · 29 écrans
その闘争、周囲の闘争を親鸞は、実に自分の内にも強く感じていたろうと思うんです。おのれとおのれとの戦いをです。おのれとおのれとの戦いの焦点は、なにかといえば「性」です。若い親鸞のうちに、いや人一倍たくましい親鸞の肉体の中には、やはり若い血が育っていたに違いありません。
いかなる山深いところにいても、目をそらし、耳を傾けまいとしても、自分自身の中にわいてくる青春です。そもそも仏陀が、神が、人間の中にも与えていたものですから、これだけはどうしようもなかったと思います。
「性」について悩んだのは、親鸞だけではありません。親鸞とまあ同時代といってもよい皇慶高山寺の明恵、また時の慈円僧正にしましても、同じような嘆きを、なにかのなかにもらしております。親鸞の「夢記」というなかには、自分は若いうちから戒律を守り、罪悪には負けないが、いかにせん、ある夜、怪しい美しい色彩のあった夢を見た、と書いている。
怪しい美しい色彩のあった夢――親鸞聖人の歎異抄とか教行信証でありますとか、こういうなかから、親鸞の深いほんとうの心の泉をくむことは、なかなかむずかしい。けれども、年若き親鸞が、ある夜、怪しい色彩のある夢を見られたとしたら、その夢はなんであるかは、僕らにはよくわかる。