Classiques japonais avec furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lisez 註文帳 (ちゅうもんちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 770 caractères · 67 écrans
お若は力なげに洋袴をかけ、短胴服をかけて、それから上衣を引かけたが、持ったまま手を放さず、じっと立って、再び密と爪立つようにして、間を隔ってあたかも草双紙の挿絵を見るよう、衣の縞も見えて森閑と眠っている姿を覗くがごとくにして、立戻って、再三衣桁にかけた上衣の衣兜。
しかもその左の方を、しっかと取ってお若は思わず、
「ああ、厭だっていうんだもの、」と絶入るように独言をした。あわれこうして、幾久しく契を籠めよと、杉が、こうして幾久しく契を籠めよと!
お若は我を忘れたように、じっとおさえたまま身を震わして、しがみつくようにするトタンに、かちりと音して、爪先へ冷りと中り、総身に針を刺されたように慄と寒気を覚えたのを、と見ると一挺の剃刀であった。
「まあ、恐いことねえ。」
なお且つびっしょり濡れながら袂の端に触れたのは、包んで五助が方へあつらえた時のままなる、見覚えのある反故である。
お若はわなわなと身を震わしたが、左手に取ってじっと見る間に、面の色が颯と変った。
「わッ。」
というと研屋の五助、喚いて、むッくと弾ね起きる。炬燵の向うにころりとせ、貧乏徳利を枕にして寝そべっていた鏡研の作平、もやい蒲団を弾反されて寝惚声で、