Classiques japonais avec furigana
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むほんろん(そうこう)
謀叛論(草稿)
徳冨 蘆花
Lisez 謀叛論(草稿) (むほんろん(そうこう)) de 徳冨 蘆花 (とくとみろか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 699 caractères · 19 écrans
列国も見ている。日本にも無政府党が出て来た。恐ろしい企をした、西洋では皆打殺す、日本では寛仁大度の皇帝陛下がことごとく罪を宥して反省の機会を与えられた――といえば、いささか面目が立つではないか。皇室を民の心腹に打込むのも、かような機会はまたと得られぬ。しかるに彼ら閣臣の輩は事前にその企を萌すに由なからしむるほどの遠見と憂国の誠もなく、事後に局面を急転せしむる機智親切もなく、いわば自身で仕立てた不孝の子二十四名を荒れ出すが最後得たりや応と引括って、二進の一十、二進の一十、二進の一十で綺麗に二等分して――もし二十五人であったら十二人半宛にしたかも知れぬ、――二等分して、格別物にもなりそうもない足の方だけ死一等を減じて牢屋に追込み、手硬い頭だけ絞殺して地下に追いやり、あっぱれ恩威並行われて候と陛下を小楯に五千万の見物に向って気どった見得は、何という醜態であるか。啻に政府ばかりでない、議会をはじめ誰も彼も皆大逆の名に恐れをして一人として聖明のために弊事を除かんとする者もない。出家僧侶、宗教家などには、一人位は逆徒の命乞する者があって宜いではないか。しかるに管下の末寺から逆徒が出たといっては、大狼狽で破門したり僧籍を剥いだり、恐れ入り奉るとは上書しても、御慈悲と一句書いたものがないとは、何という情ないことか。