Classiques japonais avec furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lisez 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 569 caractères · 336 écrans
するうちに、いつのまにか、日の光が隠れてしまって、今まで低い麓の方にしか出たことのないまっ黒な夕立雲が、驚くほど高く空の上に出てきて、むくむくとふくれ広がってきました。
「雷の神がいよいよやり始めたな」
そう思って禿鷹は、眼を皿のように見開いてうかがっていました。
夕立雲はますます大きく濃くなって、見る見る内に空を隠してゆき大粒の雨がぽつりぽつり落ちてきて、天地がまっ暗な闇に包まれてしまいました。
「さあもうじきだぞ」
そして禿鷹はさらに眼を見張りましたが 岩の影からではよく見えないので、その山の頂の一番高い岩の上に飛び上がって、雨に濡れながら一生懸命になって、どこに雷が落ちるかを見張りました。
雨はもう大降りになり、天地はなお一層暗くものすごくなり、高い雲の中には雷が鳴り始めました。と思うまに、ぴかっと矢のような光がつっ走って 同時に天地もくずるるばかりの音がして……とまでは覚えていましたが、それきり禿鷹はあっというまもなく、息が絶えてしまいました。
禿鷹が上っていた山こそ国中で一番高い山で、そこに雷の神が雷を落としたものですから、頂上の岩の上にいた禿鷹は、それに打たれて、黒焦げになって死んでしまったのです。