Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひょう

豹

山本 周五郎

Lisez 豹 (ひょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 656 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

「なにしろ肉食獣やから、山へ入るはずはないと思います、きっとこの辺をうろついているに違いありません」

和田は猟銃をまさぐりながら、やがて自分の庭のほうへ帰って行った。嫂は冷然と書物の頁を繰っていたが、しばらくして、

「正三さん、今夜はこっちへお泊りなさい」

と云った。

「怖いですか」

と訊くと笑いもせずに、

「あなたが怖いでしょうと思ってよ」

と答えた。正三は母屋の二階で寝た。

明くる日正三は、日課にしている図書館行を止めて家にいた。

夕方ちょっと散歩に出たが、いつも閑散な住宅地の隅々まで、うそうそとした不安な動きがあって、人々の眼も妙に落着を失っていたし、白じらとした、道の上を吹通る浅秋の風も、なにか脅かすような、冷えびえとした肌触りをもっていた。

夜になってから、例によって猟銃を持った和田がやって来て、一時間ばかり前に上今池のほうで、大きな番犬が豹のために噛殺されたという話を伝えた。町のほうでは青年団や在郷軍人が招集されて、今夜は山狩をするそうであると云うと、純子が冷やかな微笑で、

「和田さんも山狩隊に加わったらよろしい」

と皮肉を云った。

「いや、わたしはここを離れられませんのや何しろ女房や餓鬼があるし――それに、奥さんところやって不要心で」