Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かしまをさがしたとき

貸間を探がしたとき

小川 未明

Lisez 貸間を探がしたとき (かしまをさがしたとき) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 776 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

「おあがんなさい」と、愛想気のない調子で、おなじ声が答えた。

私は、すべりのよくない障子を開けて、窮屈な土間から框へ上った。すると、奥に頑丈そうな白髪の老婆が、恐しい眼付をして、こちらをじっと睨んでいた。

「どの間ですか」

私は、もう聞かなくてもいいような気がしたが、やはり行きがかり上から言わなければならなかった。

「二階の六畳ですから、ごらんなさい」

婆さんは、起とうともしなかった。

私は、家へはいると、外で見たよりも、一層陰気を感じた。そして、急な狭い、暗い梯子段を上った。つきあたりの六畳を、これかと思って覗いた。壁は処々壊れていた。新聞紙などが古くから貼られている、色が黄色くなっていた。そして、畳の表は、すでに幾年前に換えられたのか分らなかった。襖でし切ってもう一間あるらしかった。

その室は、どんな室かと思って、私は、廊下つづきに並んでいるので、隣の間を覗いて見る気になった。高窓から、鈍い光線が射し込んでいた。私は、其処を覗くと同時に、苦しそうなうめき声が起った。蒲団を敷いて三畳の間に、女が枕を廊下の方にして、仰向になって臥ているのであった。もう長いこと臥ていると見えて、黒い髪の色は、つや気がなく縺れていた。