Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にせもの

贋物

葛西 善蔵

Lisez 贋物 (にせもの) de 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 476 caractères · 43 écrans

Aozora Bunko

六

そして疲れはてては咽喉や胸腹に刃物を当てる発作的な恐怖に戦きながら、夜明けごろから気色の悪い次ぎの睡りに落ちこんだ。自然の草木ほどにも威勢よく延びて行くという子供らの生命力を目の当り見せられても、讃美の念は起らず、苦痛であった。

六

第二の破産状態に陥って、一日一日と惨めな空足掻きを続けていた惣治が、どう言って説きつけたものか、叔父から千円ばかしの価額の掛物類を借りだしたから、上京して処分してくれという手紙のあったのはもう十月も中旬過ぎであった。ちょうど県下に陸軍の大演習があって、耕吉の家の前の国道を兵隊やら馬やらぞろぞろ通り過ぎていた。そうしたある朝耕吉は老父の村から汽車に乗り、一時間ばかりで鉱山行きの軽便鉄道に乗替えた。

例の玩具めいた感じのする小さな汽罐車は、礦石や石炭を積んだ長い貨車の後に客車を二つ列ねて、とことこと引張って行った。耕吉はこの春初めてこの汽車に乗った当時の気持を考え浮べなどしていたが、ふと、「俺はこの先きも幾度かこの玩具のような汽車に乗らねばならぬことかしらん?」という気がされ、それがまた永遠の運命でもあるかのような気がされた。