Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 548 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

と去定は続けた、「――ここで、長屋の者たちにもっとも不利なことは、二十年ちかいあいだ、二十幾家族かが無賃で住んで来たという点だ、公事に持っていくまでもなく、この点だけでも世間は高田屋の側に付くだろう」

「しかしいったい」と登が反問した、「そんなに長いあいだ、どうして店賃なしなどという約束が交わされたのでしょうか」

「交わされたのではない、先代の高田屋与七のほうで、自発的にそう約束したのだ、おれは差配のところで店賃の帳面を見たが、それには与七の名ではっきりと、松次郎一代まで無賃と書いてあり、与七と五人の長屋総代の署名、またそれぞれの拇印が捺してあった」

「字の書ける者がそんなにいたわけでしょうか」

去定は歩きながら、振向いて登を見た、「肝臓の悪い患者が、肝臓の悪いということを知らなくとも、肝臓の悪いことに変りはないだろう」

「はあ」と登はあいまいな声を出した。

「五人の総代が字を書けたかどうか、などということは問題ではない、店賃なし、という事実が証明しているじゃないか、――ばかなことを云う男だ」終りの言葉は独り言で、だが去定はすぐにまた本題に戻った、「おれの知りたいのは、どうしてそういう約束をしたか、ということだ、どんな理由があって、与七はそんな約束をしたのか、それがわからない限り長屋の者に勝ちみはない」