Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 384 caractères · 41 écrans
「来ていたのか」と云いながら、彼はそっちへ戻った。
「お嬢さんが寝ましたから」とお杉がようやく聞きとれるほどのしゃがれ声で云った、「――どうなさいました」
「つまずいたんだ」彼はちょっとよろめいて、どしんと腰掛に掛けた、「ここへ来いよ」
お杉ははなれて腰を掛け、なにか云った。
「聞えない」と彼は首を振った、「その声じゃあ聞えやしない、もっとこっちへ来いよ」
お杉は少しすり寄った。
「さあこれ」と彼は袂から薬袋を出してお杉に渡した、「煎じてのむんだ、煎じ方は書いてある、これで喉は楽になる筈だ」
お杉は礼を述べてから云った、「お酒を持っていらしったんですか」
「ほんの一と口さ、飲み残りだ」
「あたしも持って来ました」
「なんだって」彼はお杉のほうへ耳をよせた。
「あなたの瓠」とお杉は云って、持っている瓠を見せた、「いつか預かったまま忘れていた瓠よ、お嬢さんのあがるおいしいお酒があるので、少し分けて持って来たんです」
「ああ、えびづる草の実で醸した酒だろう」
「ご存じなんですか」
「赤髯が薬用につくらせてるやつだ、いつか五平の小屋で味をみたことがあるよ」と云って彼は瓠を受取った、「しかしおまえが酒を持って来てくれるなんて、珍らしいじゃないか」