Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちょうかきんむ

超過勤務

山本 周五郎

Lisez 超過勤務 (ちょうかきんむ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 619 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

と彼は赤くなってわめいた、「どうだ、この、なに、なんだと、老いぼれの腰抜けだと」

彼は立ちあがり、片手でデスクを殴りつけながら、「おれが老いぼれの腰抜けなら、きさまなんぞは、その、あの」彼はもっとも痛烈な悪罵を思いだそうとしてあせる、「おい、きさま、そのきさまなんぞはな、その、あれだ、その、――えいくそ、また切っちまやがった」

彼は受話器を叩きつけるように戻し、椅子を押しやって荒い呼吸をしながら、事務室の中をあるきまわる。いちど赤くなった顔色がしだいにさめ、灰色の古いなめし皮のようにひすばってきた。

「もうたくさんだ、考えなくちゃあならない、このへんでおれも考えてみなくちゃあならないぞ」と彼はあるきまわりながら云う、「――おれはこの店に三十九年勤めて来た、妻をもらい、五人の子を育てた、長男は来年で大学を出るし、下の四人もまあまあ人並だろう、女房は太りかえってすっかり尊大に構えている、それはそれでいい、それはそれでべつに文句はない、なあ、文句はないだろう、ない」と彼は自分にうなずく、「ところで、このおれはどうだ、おれはこれまでになにか得たか、なにか得た