Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろじょう
路上
Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans
二十
プラットフォオムの上には例のごとく、見送りの人影が群っていた。そうしてそれが絶えず蠢いている上に、電燈のともった列車の窓が、一つずつ明く切り抜かれていた。野村もその窓から首を出して、外に立っている俊助と、二言三言落着かない言葉を交換した。彼等は二人とも、周囲の群衆の気もちに影響されて、発車が待遠いような、待遠くないような、一種の慌しさを感じずにはいられなかった。殊に俊助は話が途切れると、ほとんど敵意があるような眼で、左右の人影を眺めながら、もどかしそうに下駄の底を鳴らしていた。
その内にやっと発車の電鈴が響いた。
「じゃ行って来給え。」
俊助は鳥打帽の庇へ手をかけた。
「失敬、例の一件は何分よろしく願います。」と、野村はいつになく、改まった口調で挨拶した。
汽車はすぐに動き出した。俊助はいつまでもプラットフォオムに立って、次第に遠ざかって行く野村を見送るほど、感傷癖に囚われてはいなかった。だから彼はもう一度鳥打帽の庇へ手をかけると、未練なくあたりの人影に交って、入口の階段の方へ歩き出した。
が、その時、ふと彼の前を通りすぎる汽車の窓が眼にはいると、思いがけずそこには大井篤夫が、マントの肘を窓枠に靠せながら、手巾を振っているのが見えた。