Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans

Aozora Bunko

僕が君に話したいのは、その僕の所へ来た手紙と云うやつなんだがね。」

大井はこう云って、酒臭い息を吐きながら、俊助の顔を覗くようにした。

「その手紙の差出人は、女名前じゃあったけれど、実は僕自身なんだ。驚くだろう。僕だって、自分で驚いているんだから、君が驚くのはちっとも不思議はない。じゃ何故僕はそんな手紙を書いたんだ? あの女が嫉妬を焼くかどうか、それが知りたかったからさ。」

さすがにこの時は俊助も、何か得体の知れない物にぶつかったような心もちがした。

「妙な男だな。」

「妙だろう。あいつが僕に惚れている事がわかりゃ、あいつが嫌になると云う事は、僕は百も承知しているんだ。そうしてあいつが嫌になった暁にゃ、余計世の中が退屈になると云う事も知っているんだ。しかも僕は、その時に、九分九厘まではあの女が嫉妬を焼く事を知っていたんだぜ。それでいて、手紙を書いたんだ。書かなけりゃいられなかったんだ。」

「妙な男だな。」

俊助は目まぐるしい人通りの中に、足元の怪しい大井をかばいながら、もう一度こう繰返した。

「だから僕の場合はこうなんだ。――女が嫌になりたいために女に惚れる。