Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おどるいっすんぼうし

踊る一寸法師

江戸川 乱歩

Lisez 踊る一寸法師 (おどるいっすんぼうし) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 734 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

私は云い難き恐怖に戦いた。さっきのは、あれは本物のお花の笑声だったのか。若しや、奥底の知れぬ不具者が、床の仕掛けをふさいで真実彼女を刺し殺し、獄門に晒したのではないか。そして、あの声は、あれは死人の声ではなかったのか、愚なる軽業師共は、彼の八人芸と称する魔術を知らないのであろうか。口をつぐんだまま、腹中で発音して死物に物を云わせる、あの八人芸という不思議な術を。それを、あの怪物が習い覚えていなかったと、どうして断定出来るであろう。

ふと気がつくと、テントの中に薄い煙が充ち充ちていた。軽業師達の煙草の煙にしては、少し変だった。ハッとした私は、いきなり見物席の隅の方へ飛んで行った。

案の定、テントの裾を、赤黒い火焔が、メラメラと嘗めていた。火は已にテントの四周を取りまいている様子だった。

私は、やっとのことで燃える帆布をくぐって、外の広っぱへ出た。広々とした草原には、白い月光が、隈もなく降りそそいでいた。私は足にまかせて近くの人家へと走った。

振り返ると、テントは最早や三分の一まで、燃え上っていた。無論、丸太の足場や、見物席の板にも火が移っていた。