Classiques japonais avec furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lisez 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) de 谷 譲次 (たにじょうじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 168 926 caractères · 332 écrans
せまい通りを幾つか曲って、やがてだんだん海へ近づいてゆくと、老樹の並木路を出はずれたところに、草と堀と橋と石垣に埋もれた古城があった。堀の水は青く淀んで、雨脚が小さな波紋をひろげていた。第一の城壁の上から高い木の枝が覗いて、そのむこうに太いずんぐりした塔が水気にぼやけていた。橋には大きな釘の頭が赤く錆びて、欄干は、人間の自己保存の本能を語って訪問者の記念のナイフのあとを一ぱい見せていた。
G・H・W――NYC・USA。
J.S.B ―― Epping, England. June 2,1911.
A・L――ダンジヒ独逸。
その他無数。
橋をわたると鉄の城門だった。上に 1690 と大きく彫ってある。ちょうど守備兵の交替時間で、中庭で軍楽隊の奏楽につれて、奇妙な軍服の兵士たちが木製の機械人形のように直線的に四肢を振って動きまわっていた。それを近処の子供たちや遊覧客がかこんで見物していた。私たちが這入ってゆくと、楽隊も兵卒も一せいに顔をこっちへ向けて、珍しそうにまじまじと見守っていた。
第二の塀と橋を過ぎると、お城は屋根が綺麗だった。銅板がすっかり緑に変色して、それを日光とともに小雨が濡らしていた。