Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Lisez 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 469 caractères · 157 écrans
せしむる底の活策略の縦横無礙なものがなくては、博多仁輪加の軽妙さが生きて来ないのである。
湊屋の大将こと、篠崎仁三郎は、その日常の生活が悉くノベツ幕なしの二輪加の連鎖であった。浮世三分五厘、本来無一物の洒々落々を到る処に脱胎、現前しつつ、文字通りに行きなりバッタリの一生を終った絶学、無方の快道人であった。古今東西の如何なる聖賢、英傑と雖も、一個のミナト屋のオヤジに出会ったら最後、鼻毛を読まれるか、顎骨を蹴放されるかしない者は居ないであろう。試みに挙す。看よ。
前回の通り、親友の生胆を資本にして、長崎の鯨取引に成功した湊屋仁三郎は、生れ故郷の博多に錦を? 飾り、漁類問屋をやっている中に、日露戦争にぶっつかり、奇貨おくべしというので大倉喜八郎の牛缶に傚って、軍需品としての魚の缶詰製造を思い立ったが、慣れない商売の悲しさ、缶の製造業者に資本を喰われて、忽ち大失敗の大失脚。スッテンテンの無一物となった三十八年の十一月の末、裾縫の切れた浴衣一枚で朝鮮に逃げ渡り釜山漁業組合本部に親友林駒生氏を訪れた。林駒生氏は本伝第二回に紹介した杉山茂丸氏の末弟で、令兄とは雲泥、霄壌も啻ならざる正直一本槍の愚直漢として、歴代総督のお気に入り、御引立を蒙っていた統監府の前技師であった。