Classiques japonais avec furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lisez 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 147 caractères · 298 écrans
子供三人まで持ちしが、二人は早世して、当時ひとり息子にて、利発の生まれつき、親たちの寵愛おおかたならず。月よ花よと楽しみありしときに、この息子いったい器用にて諸芸通達し、中にも平生囲碁を好み、ただこれにのみ心をゆだねけるが、あまりに心を労しけるゆえにや、ふとわずらいつき、労のごとく引きこもり、人に逢うことさえいといける。よって両親心遣いして、医療さまざまに尽くしけれども、さらに験なし。しかるに親類のうちより、この病体に妙を得し医師を伴いきたり、この薬力にてしあわせにだんだんと平癒して、今は常体のとおり全快せしかば、両親のよろこび、とびたつばかり。連らなりし人々、召使等まで万歳を唱えけり。
この病体全く碁にこりかたまりてそれよりのことなれば、碁はまずやめにして、気を転ずることよしと、歌、三味線にかえしなり。息子の友達寄り集い申すよう、「われら二、三人申し合い、遊山がてら箱根へ湯治に赴く催しなり。貴所にも保養のため、連れはわれわれなれば、同道しかるべし」と勧めけり。なるほど、よろしかるべしと親たちへ達せしところ、行きたくば、ともかくも心任せにとあるゆえに、早速相談きまり、出立の用意とりどりにて、支度調い発足しけり。