Classiques japonais avec furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lisez 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 147 caractères · 298 écrans
これ、わが国に天狗談の多きゆえんなり。その他は、よろしく前に述べきたれるものとあわせ考うべし。
つぎに心理的説明を述ぶるに、その第一は、恐怖、予期、想像等によりて妄覚を生ずることこれなり。なんぴとも深山無人の境に入れば、自然に恐怖の念を生じ、諺にいわゆる「疑心暗鬼を生ずる」がごとく、風声を聞くも雲影を見るも、その心たちまち動き、種々の妄想を起こすは、我人の免れ難きところなり。これに加うるに、日本人は小児のときより、高山に天狗の住するを聞き、その奇異なる図画を見、その挙動その作用の不思議なるを知りおれば、深山に入ると同時に、たちまちかかる記憶を再現し、意をもって種々の奇怪を迎うるに至る。これ、すなわち予期作用なり。これに加うるに、連想上種々の想像を誘起し、その結果、ついに音なきに音を聞き、物なきに物を見るに至る。これを幻視、幻聴という。すなわち妄覚これなり。今日伝わるところの天狗の図は、画工の作意に出でて、古来の天狗談を総合して、さらにこれに潤色を加えたるものにほかならず。されど、ひとたびその図を見たるものが深山に入れば、たちまち妄覚を起こし、高鼻肉翅の怪物を幻視することあるは、決して怪しむに足らず。