Classiques japonais avec furigana
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ついおく
追憶
宮本 百合子
Lisez 追憶 (ついおく) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 363 caractères · 35 écrans
今立って居る処から四方へ延び拡がって居る草原は、黄緑色にはてしなく続いて、遠い向うには海の様な空の中に草の頭がそろってしなやかにユーラリ、ユラリとそよいで、一吹風が吹き渡ると、林中の葉と原中の草が甘い薫りを立ててサヤサヤ、サヤサヤと鳴り渡る。はっきりした茶色の幹を輝かして立って居る一群の木々の間からは真紅の小さい葉どもがチラチラして、その奥の奥からはチチチチチ、チチチチチと云う小鳥の声があっちにゆったり落着いて居る山の方まで響いて行く。
私は歓びと驚きで胸が張ち切れそうになった。
太陽のよっぽど近くまで来たのではあるまいかと思った程四辺は明るく金茶色に輝いて、天は私が爪立てたら触れそうに感じられた。
静かに分けて行くと、黒い丸い小さい実をつけたり、御飯粒の様な凋んだ花を付けた高い草が私の胸の所で左右に分れて、ブーンと風音をたてながら小虫が飛び出したりした。
私はうれしさに我を忘れて一気に向うまで馳け抜けて見ると、丁度カステラの切り目そっくりなが目の前に切ったって居る。
私には見当もつかない程低い低い下の方から先ぐの足元まで這い上って居るその※(「涯のつくり」