Classiques japonais avec furigana
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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
Lisez 透明猫 (とうめいねこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 10 223 caractères · 21 écrans
どんなにうちがこいしくても、自分はうちへかえれないのだ」
ぽたぽたとあつい涙が青二のほおをつたって、膝のうえへ落ちた。
「おい坊や。なにをそんなにふさいでいるんだい」とつぜん声を青二にかけた者がいた。
青二はびっくりして顔をあげた。するとそこには一人の青年が立っていた。ダブルの背広を着、頭髪をながくのばして、きれいに分けた紳士風の青年だった。しかし服装の小ぎれいなわりに、顔はやけトタンのようにでこぼこし、四角な頬には、にきびがたくさんふき出ていた。
が、青年は、にこやかに笑顔をつくって、青二を見下ろしていた。
「泣くなんて、男の子のすることじゃないよ。おれだって引揚げて来たときは泣きたくなったさ。だけど、泣いたってしょうがないと思ってあきらめて、あとはどんな苦しいことがあっても、にこにこして暮らしているさ。楽天主義にかぎるよ。そして困ったら、三日でも四日でもよく考えるんだ。考えて、道がひらけないことってないよ。坊やお前はうちがないんだろう」
いいえ、と答えようとしたが、青二は今はうちを出たんだから自分はうちなしだ。だから青二はうなずいた。
青年は「そうだろうと思った」