Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
とじょうのはんにん
途上の犯人
浜尾 四郎
Lisez 途上の犯人 (とじょうのはんにん) de 浜尾 四郎 (はまおしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 477 caractères · 38 écrans
「若し? 若し……そうです、若しここに一人でもあなたの為に殺人者になったという人間があるという事を、私が立証したらあなたはどうします?」
「無論、あなたが、そう主張なさるなら信じないわけにはいかないでしょう。僕はそんな事があろうとは思いませんが」
「たしかにあります。一人、確かに!」
「確かに? 君はほんとうにそう云うのか」
「無論です。たしかに少なくも一人私はそういう人のある事を知って居ます。先生、私はたしかにそういう一人を知って居ますよ」
こうなっては最早のっぴきならない。
「君は確かにあると断言するのだね。よし。それでは君はその人の名をあげて僕に知らせる責任がある。それをしないでただそんなに頑強に僕を批難しても何もならん」
私には、この世の中にそんな人間があるとは信じられず、又若し(しかり、正に千万度も「若し」だ!)そんな殺人者があったとしたところで、まさかその人間の名を彼が私に云い得る筈はない、と思ったので、ぴっしゃりと、叩きつけるように云ってやったのである。
此の一言ははたして効果を現わした。
猛虎のようにつめよった彼はこの時、正にたじたじとなったらしい。