Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みちづれ

道づれ

宮本 百合子

Lisez 道づれ (みちづれ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 491 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

はる子も、それ以上説明を求めようともしない。重吉が自然木の腰かけから立ち上ってのびをしながら、そこに並んでかけている宏子とはる子のどっちへともつかず、

「まあ悠々とやるんだね」

そう云って、信じるところありげな眼の中に輝く笑を浮べた。

「一生のことだろう? いそがずといいさ。必要なら、どういう仕事でもやるという確信で、今の場所で最善をつくしていればいい。そうだろう?」

云いながら、重吉は自分の胸に迫って来る感動を覚えた。彼自身への未来は果してどのように展開されて来るであろう。彼が、高校時代から自身の才能についても活動についても、期するところあって自重している。その精華はいつどのような形で、新しい歴史の裡に活きるであろうか。それは彼の前にもまだ示されていない。

「すこし歩こうか」

三人は、それぞれの感動でしばらく黙って、かたい芽のふくらみ出した樹の間から、青空の見える小道を歩いて行った。ぽつぽつ話し出して、重吉が、

「この頃、みんなどんな本よんでいるかい」

ときいた。

「多喜二のものやなんかよむかい?」

「読んでいるけど、感想きくと、大抵素敵だと思うって云う程度なんです」