Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みちづれ
道連
豊島 与志雄
Lisez 道連 (みちづれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 366 caractères · 37 écrans
何しろ、その妙薬をのんで病気がなおったという村の或る古老が、抽出の中から探し出してきてくれた古い薬袋の裏の、怪しい処書の文字を頼りに、漠然と見当をつけて出かけてゆくのだから、まるで夢をでも掴むような話なんだ。そしてその妙薬なるものが、実に変梃なものだった。それを服用すると、二十四時間のうちに、体内のあらゆる黴菌が死んでしまって、その毒気や汚物が、一度に下痢と共に排出され、残ったのは腫物となって吹き出されるというのだ。今考えると、それは或る人間の脳味噌かなんかで、火葬場の隠坊達からひそかに手に入れて調製されてたものかも知れない。
母はその薬のことを聞いて、溺れる者が藁屑にでも取付くような風に、一途に信用しきったものらしい。そして、父へは勿論誰にも内密にして、自分で薬を買いに出かけて行った。が僕にだけはひそかに打明けてくれた。其後父がそれをのませられて、夥しく下痢したものを、或る暗い晩に、母は僕に龕燈提灯を持たして、屋敷の隅の竹籔の影に埋めてしまった。そして恐い眼付で睥めながら、誰にも云うんじゃありませんよと念を押した。それで僕は今日まで黙っていたが、つい口が滑ってしまったのだ。