Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みちづれ
道連
豊島 与志雄
Lisez 道連 (みちづれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 366 caractères · 37 écrans
そして一度も僕の手を引いてくれない。それでも僕は不平でなかった。父の薬を買いに、母と一緒にこうして夜道をする、というそのことだけで胸が一杯だった。
「お母さん、もっと早く行こうよ、もっと早く……。」
「そう急がないでもええ。夜中から出て来たから……。」
僕達は長い堤防にさしかかっていた。両方に高く生い茂ってる葦の葉が、道の上に垂れかかって、丁度隧道のようになっていた。所々に蜘蛛の糸が引張られていて、それが顔にかかって気味悪かった。葉末の露が着物の袖を濡らした。それでも不思議なことには、葦の葉を押し分けて通ってるのに、かさともさらりとも葉擦れの音がしなかった。しいんとしたそして爽かな夜で、葦の葉の隧道の天井の少し開いてる所から、きらきら輝いてる星が見えていた。
「随分長い堤ですねえ。」
「ああ長いよ。」
それっきり母はまた黙って歩いてゆく。僕も後れまいと足を早めた。がいくら行っても同じ堤防で、なかなか向うまで出られそうになかった。こんな所にぐずぐずしているうちに、夜が明けてしまやすまいかと、僕は気が気でなくなってきた。昔は追剥が出たと聞いたことのあるようなその堤防に、いつまでも引っかかってたらどうなるだろう。