Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みちづれ

道連

豊島 与志雄

Lisez 道連 (みちづれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 366 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

然しその時のことは、とても言葉ではつくされない。自分の全存在をぶち込んだ瞑想と、まあそんな風に思ってくれ給え。

そして長い時間がたった。霧はいつまでも晴れそうにない。細かな仄白いやつが一面に流れ動いてゆく。僕はもうたまらなくなって、立上って歩き出した。どちらへ行ってみようとか、どの方向がどうだとか、そんな考えがあってじゃない。丁度夢遊病者のように、ただ本能的にふらふらと歩き出したのだ。五六寸の雑草が所々に背の高い茂みを交えて、一面に生い茂ってるのが、足先にそれと感じられるだけで、足許の地面さえはっきりとは見えず、四方の模様は更に分らなかった。ただ時々眼の前に、ぼーとした物の形が浮出して、近寄ってみると、ひょろひょろと伸びてる栂や落葉松などだった。

そのうちいつのまにか、僕の横手にぼんやり人間らしい影がつっ立っていた。振向いてなおよく見ると、たしかに人間で、縞目の分らぬ黒っぽい着物を一枚着流して、帽子も被らず髪の毛をもじゃもじゃに長く伸ばしている。それが腰から上だけぬっと出て、足は霧の中に見えなかった。

不思議なことには、僕は別に驚きもしないで、四五歩その方へ近づいていった。