Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いあいしゅう

遺愛集

島 秋人

Lisez 遺愛集 (いあいしゅう) de 島 秋人 (しまあきと) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 488 caractères · 102 écrans

Aozora Bunko

遺愛集

序

序

窪田空穂

数日前、巣鴨拘置所内に、死刑囚として拘置されている島秋人君から来状があり、今度はからずも、篤志の方々の厚情によって、「遺愛集」と題している自分の歌集が出版されることになった。ありがたい次第であるといって、その方々との心つながりを、言葉短く知らせて来た。心つながりは、何れも同君が、「毎日新聞」の歌壇に投稿している短歌で、選者としての私の選に入選した作をとおしてのものである。そのことは私は今度はじめて知ったことで、現社会にもそうした篤志な方々が少なくないことを知り、そのこと自体に対して感激の情を抱かされたのである。

秋人君の来状は、今一つの用件を含んだものであった。それは「遺愛集」に序を添えて呉れ、又、題簽も書いて呉れという依頼であった。

この依頼は今度が初めてではなく、やや以前にすでになされ、私は承諾していたものである。その際の秋人君の書状は私を感心させるものであった。大意は、秋人君と私との関係は、毎日歌壇の投稿者と選者ということに過ぎない。その選者を自分の師のごとく思っているのは、甘え心からの独りぎめであるが、それは許して呉れ。自分には歌集を出版して下さろうという二、三の方々があるが、生前にそのようなことをするのは、被害者に対して相済まぬ感がするので、死後にして下さい。