Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょうしゅう
郷愁
佐左木 俊郎
Lisez 郷愁 (きょうしゅう) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 473 caractères · 3 écrans
私はよく、ホームシックに襲われる少年であった。
八百屋の店頭に、水色のキャベツが積まれ、赤いトマトオが並べられ、雪のように白い夏大根が飾られる頃になると、私のホームシックは尚一入烈しくなるばかりであった。
そんなとき、私は憂鬱な心を抱いて、街上の撒水が淡い灯を映した宵の街々を、微かな風鈴の音をききながら、よくふらふらと逍遙あるいたものであった。
店の上に吊された、五十燭ぐらいの電燈が、蒼白い、そしてみずみずしい光をふりまき、その光に濡れそぼっている果物屋の店や、八百屋の店は、ますます私の心を、憂鬱に、感傷的にしてしまうばかりであった。併し私は、馬鹿馬鹿しいほど淋しく、物哀れな気分になりながらも、こうして八百屋の店や果物屋の店頭を覗いて歩くのが好きだった。
そうして逍遙うた揚句には、屹度上野の停車場へやって行ったものであった。
停車場の待合室にはどこの停車場にも掛かっているような、全国の、国有鉄道の地図が掲げられていた。
その地図の下に立ってみすぼらしい身装の青年が、その地図の上の距離を計ったり、凝っと凝視ていたりして、淋しい表情で帰って行くのを、私は幾度見かけたか知れなかった。