Classiques japonais avec furigana
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しゅゆうれつでん
酒友列伝
山之口 貘
Lisez 酒友列伝 (しゅゆうれつでん) de 山之口 貘 (やまのくちばく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 066 caractères · 12 écrans
」とのことであった。
酒の席から中座する癖のあるのは、詩人の灰雨であった。かれと飲んだことのある人なら、誰もが知っていたのである。かれは年齢的にも、詩人としても、ぼくの先輩で、ぼくは殆ど毎日かれを訪ねて、色々と迷惑ばかりかけていた。そういうかれが、ある日の朝、珍らしく、はじめてぼくを訪ねて来た。しかしかれは、折角訪ねて来たのに、上れと云っても上らず、垣根のところに立ったままで、いま警察から出て来たところだと云った。事件は、ぼくらと飲んだ夜のことで、灰雨は例によってみんなに気づかれないように中座はしたものの気分がわるくなってきたので、一休みさせてもらうつもりで途中のしるこ屋に立ち寄ったが、店には誰もいないのでそのまま片隅のテーブルにうつ伏せになってしまったとのことだった。そこへまもなく、サーベルの音と靴の音がしたので、ふと灰雨は顔をあげてみたのだが、かれは立ち上って、いきなりその警官の横面をなぐりつけてしまって、とうとう警察へ引っ張られたとのことだった。
ぼくはその日、灰雨から頼まれた伝言を持って、かれの家に届けた。
「灰雨は四、五日国頭へ旅行すると云ってましたから、今日か明日は帰って来る筈です。