Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じゅうびょうしつにっし
重病室日誌
北条 民雄
Lisez 重病室日誌 (じゅうびょうしつにっし) de 北条 民雄 (ほうじょうたみお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 745 caractères · 14 écrans
つまり手術といふのは瞳孔を拡げて分泌物の掃除をするのだ。
手術はひどく痛かつたさうである。
×月×日。
腕の痛みは殆どとまり、朝からよい気持である。痛み始めてから今日でちやうど四十日になる。
隣りの男は手術後の経過良好とみえて、いくらか冗談を言ふやうになつた。
午後、久しぶりで図書館に出かけ新聞を見る。文芸欄は題目だけを眺めて片づけ、三面記事を見る。四十日の間新聞を見なかつたせゐであらう、数多くの血なまぐさい事件にぞつと心が寒くなる。活字が血の色に見える。心が緊張し、考へが後から後からと湧き出して来てならない。病室へ帰つてからも心が落ちつかず、ぐるぐると渡り廊下を散歩する。
三号病室の横まで来たとたん、はつとして立竦む。向うから片×さんの妻君がやつて来、それが何時の間にか盲目になつてゐるのだ。が、自分が驚いたのは彼女が盲ひてゐるからではなく、その瞬間まで社会の、いや三面記事の上に生きてゐた自分が、彼女を見たとたんに癩病院に復つたためだ。これが俺の生きてゐる世界であつた、といふ驚きだ。絶望的な気持になり、ひどく憂鬱になる。
二号病室の廊下まで来ると、ふとYさんが入室してゐるのに気づき、這入つて見舞ふ。